
2014年8月、突如として日本列島を襲ったデング熱。
この病に対して深い知識と理解を持った日本人は、医療関係者のなかでもそう多くはないのではないでしょうか。
なぜなら過去60年以上、日本国内でのデング熱感染症例の報告がなかったからです。
ですので、この機会に正しい知識を身に付け、自己防衛に役立てていただければと思います。
デング熱とは、デングウイルスが感染しておこる急性の熱性感染症で、発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹などが主な症状です。
ウイルスに感染した患者を蚊が吸血すると、蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊が他者を吸血することでウイルスが感染します。
ヒトからヒトの直接感染はありません。また、感染しても発症しないことが多いです。
主な媒体蚊は日本には常在していないネッタイシマカという種類ですが、ヒトスジシマカという種類も媒体蚊たり得、こちらは日本のほとんどの地域で常在しています。
現在、デング熱には有効なワクチン、また特定の治療薬はありません。
感染を防ぐためには自己防御しかないのです。
蚊がいそうなところに出かける際には、長そで長ズボンの着用が推奨されます。
また虫除けスプレーなども上手に活用して、まずは蚊に刺されないように行動することがなによりも大切になります。
それでも、蚊に刺され、かつデング熱を疑うような症状が現れた場合には、早急に医療機関を受診し医師の指示に従ってください。
冬へと季節が移り、デング熱は鎮火してきましたが、来年の夏も油断はできません。正しい知識を持って正しい対処をしていきましょう。